DifferentialのMapsについて。

今回から新しくカテゴリを設けて、RBRのセットアップについて僕の稚拙な説明ではあるが、
少しずつやっていこうか、と思う。

RBRの醍醐味と言えば、爽快な走り心地ももちろんのこと、
その膨大な数に上るセットアップを詰めて、自分なりのスタイルを見つけることと感じる。
しかし、ソフトが英語だし、項目も全部英語…専門用語もいっぱい出てきて分からないものも多々ある（僕もです…）。
僕の分かる範囲ではあるが、少しずつ紐解いていくことにする。

また、僕の感覚で書いている部分も多々あるので、各々方と意見が食い違うこともあると思うが、
それは遠慮なくコメント欄に書き込んでほしい。
色んな意見交換もさかんに行えたら、と思う所存である。
よろしくおねがいしますm(__)m

記念すべき第一回目の今回は、Differentialについて。
WRCでよく「デフ」といっているのはこの項目だ。

トランスミッションに組み込まれており、
駆動をコントロールするうえでかなり重要な部分となっている。
この項目のMapsは、ラリーカーの核とも言える項目で、
このセッティング如何でタイムが飛躍的に上がったり、
運転のしやすさが格段に上がったりするので、色々と試してみていただきたい。

Mapsの項目は、利き具合が100％に近付くにつれ強く（デフロック）、
0％に近付くにつれ弱くなる（フリー）。
利きが強くなると、車の安定性は上がるが、
アンダーがでやすくなる（グリップに戻りやすい）。
利きが弱くなると、車の安定性は下がるが、
コーナーの攻略が容易になる（オーバーステアになる）。
このバランスをとることがタイムとドライバビリティ向上につながる。
各自のドライビングスタイルに合わせて調整していただきたい。

Mapsの項目は、Center,Front,Rearの3部分と、C.Left Foot Braking（左足ブレーキした時の利き具合）。
そして、各MapsにはThrottle,Breke,Speedの項目がある。

まずは、Front,Rearは一度に調整せずにCenterのみから調整することをお薦めする。たいがいのドライバビリティはここで決まるからだ。
というわけで、独断と偏見でではあるが、今回はCenterのみの説明になることをお許しいただきたい。
まず、Throttleは、アクセルを踏み込んだり、抜いたときのデフの利き具合。
左のパーセンテージは、アクセル開度、右が、デフの利き具合。

センターデフは、グラベル、ターマックに関係なく、一般的に、スピードが上がるほど安定する方向にもっていき（パーセンテージ↑）、
反対に、スピードが下がるほど、車を自由にしてやる（パーセンテージ↓）という傾向が強い。
アクセルを100％踏み込んだときのパーセンテージを上げると、グリップにつくのが早くなり、姿勢を立て直しやすいが、その分、アンダーも出やすい。
コーナリング途中で予想外にアンダーが出て、コースアウト、という経験が多い方は、ここのデフの利き具合を下げて試してみてはいかがか。

GTFPなどのステアリングデバイスを使用されている方は、左の10～90％の利き具合を調整することで、自分の思い通りの動きに近付くかと思われる。
そして、例えば、Throttle100%踏み込んだ際の利き具合を70%だとすると、
Throttle90%以下の右の値は70%以下の値で調整することをお勧めする。
デフロックに近づけるということは、アンダーが出るということも兼ねるので、コーナー途中に唐突に姿勢が変わる可能性があるからだ。

そして、Brakeの項目は、ブレーキを踏んだときや放したときの挙動をどうするか、である。
基本的な概念は先ほどのThrottleの項目と同じで、100％寄りはロック、0％寄りはフリー。
このBrakeのMapsは、ある意味一般車のABSの利き的なものだと僕は感じている。
ロックさせれば、ブレーキング時に挙動はタイトになるが、その分ハンドル操作に反応しにくい。
フリーにすれば、ブレーキング時の挙動はルーズになるが、その分ハンドル操作はしやすくなる。

そして、Speedの項目。
こちらも、ロックさせると、安定性はよくなるが、曲がりにくくなり、制動をかけにくくなる。
逆にフリーにすると、回頭性は上がり、制動に敏感になるが、その分車体安定性が犠牲になる。
この3つのバランスをとることで、各々方の「気持ち良い」ポイントが見つかることを期待する。